学部卒業生から
私は昔から生物が好きで、学部時代には、様々な生物と出会うべく北海道から沖縄まで各地を旅したものです。進学にあたっては、「様々な野外の生物を対象に研究したい」という動機から、このフィールド科学専修を選びました。
フィールド科学専修では、森林から海洋、農地など様々な系において、植物や動物、プランクトンなど様々な生物を対象に学ぶことができました。また、野外調査から室内実験、GISやシミュレーションなど様々なアプローチから現象を捉える機会を得ました。こうした経験を通じて、生物と環境、人間社会との関係性を幅広い視野から捉えることができるのは、この専修のひとつの特色かと思います。
現在は大学院の生圏システム学専攻に進学し、シカ・植物・昆虫の相互作用をテーマに研究を行っています。様々な系や生物を対象とする人が身近にいるため、幅広い議論を行うことのできる機会に恵まれています。
フィールドは、研究を行う場所であり、研究の対象であるだけでなく、時には研究のアイデアも提供してくれます。皆さんもこの専修で、フィールドの中に身を置いて、フィールドの生物を対象とし、フィールドから学ぶという経験をしてみませんか。
高木 俊 フィールド科学専修2007年卒業
フィールド科学専修は、その名の通り、山や川や海などのさまざまなフィールドを対象として現場を重視した実習等が充実しています。私は生き物や自然環境が大好きですが、実は専門的な生き物の知識やフィールドワークの経験がなかったため、幅広い現場を見ることができるのは大変刺激的で勉強になりました。
現在は琵琶湖のある滋賀県で、環境専門の公務員として仕事をしています。現場に足を運んで確認してきたことをもとに、県全体を良くしていくための取り組みを考える。まさに、この専修で学んできたことを活かして日々仕事に向き合っています。
「野外調査なんて大変そう」「生き物のことがわからない」、そんなことは問題ではありません。素晴らしい先生方、先輩方と現場に出ると、いろいろなことが身に付きますよ。そのために、この専修があるのですから。
三宅 もえ フィールド科学専修2008年卒業
フィールド科学専修の特徴は、生物が実際に生きている現場に出て学べるところにあります。生物を扱う専修は多いですが、その中からフィールド科学専修を選んだ私は、やはり現場を大事にしたい思いが強かったのでしょう。
進学してからは、現場で学ぶことの重要性について気付かされます。いざ現場に出ると、知識として理論を知っていても、それがどう現象として起きているか把握するのは簡単ではありません。しかし実習を何度も繰り返すうちに、起きている現象をなんとなく感じられる勘が出てきます。学部の卒業研究では、この勘を裏付けられたこともあれば、外したこともありましたが、それもまた現場で学ぶことの魅力であると感じます。
現在、私は大学院修士課程の生圏システム学専攻に進学し、干潟をフィールドとして学部時代からの研究を続けています。いまだに知識と現場の経験が一致しないこともありますが、生物が生きる現場に魅力を感じる日々です。
現場を大事にできる気持ちがあれば、最初から生物に詳しい必要はありません。発見にあふれるフィールドに一歩踏み出してみませんか。
山本正岳 フィールド科学専修2013年卒